あなたの背中

 

広い岩場の上で

色も少ないこの島で

あなたの青い服はそれは映える

 

私は息を弾ませ

あなたの元へと急ぐ

 

特に用事なんて

これっぽっちもないんだけど

 

“あなたに会いたかったから”

 

あなたの名前を大きな声で呼びながら

大きく手を振ってあなたを呼びながら

おしとやかさのかけらもなく

私はただただ笑顔で走る

 

“あなたに会いたかったから”

 

あなたの姿を見つけると

あなたの大きな背中を見ると

飛びつきたくなってしまうの

 

温かいのかな?

なでなでしたら怒られるかな?

それとも――ビックリするだろうな!

きっとゲンさんならそうだろう!

 

ああ、それでもしてみたい

だってあなたなら怒りはしないでしょう?

 

驚いた顔して、でもすぐに

「やあ、ヒカリ。」って

笑ってくれるでしょう?

 

恋人チックなあいさつは何一つないけれど

たっぷりこめた友愛で

今の2人は満たされている

 

それを私は知っている

 

これからだもの

これからよ!

 

そうよ、そうでしょ?

ねっ?ゲンさん!!

 

2人は出会ったのだから

これから始まる物語は

きっとすてきな恋物語

 

まずは信じるところから

 

今日もあなたの背中を追いかけて

私の声が島に響くの

 

今日もあなたの背中を追いかけて

私の胸は高鳴るの!