ほんのお遊び

 

*コクランが理由(わけ)あって、“ゴーストタイプのポケモンが苦手”という設定付きのギャグネタです。

 

 

 

 

 

とある日、とある場所にて、キクコのゲンガーとカトレアは出会ったのでした。

「……。」

「……。」

どうやらお互いに相手のことを観察中のようです。

「……。」

「……。」

内心ドキドキしながら、カトレアが一歩、ゲンガーに近づきます。

そして、ゲンガーは一歩、下がります。

「……。」

「……。」

じりじり。

じりじり。

ゲンガーに興味津津のカトレア。

ここからすぐに姿を消そうと思えばできるけれど、あえておもしろそうだから付き合うゲンガー。

(そう言えば、このポケモンは1度見たことがあるわ。あの人のかしら?)

(そう言えば、このおじょうさんは1度見たことがあるな。あのお付きの人はいないんだろうか?)

「カトレアさま。」

そこに現れた執事。

「ワッハ!これはなんたること!わが主カトレアさまに近づくとは――!」

ベロ〜ン!!

ゲンガーはふざけて大きな舌を伸ばしながら、コクランの「目の」前にたちふさがった。

「ひわぁぁぁ〜〜!!」

「コクラン?」

「いえ、これは、違うのです、カトレアおじょうさま。私は決して――。」

一瞬、ひるんだコクランであったが、さすがは執事の鏡。モンスターボールを取り出し、カトレアを守ろうと果敢にゲンガーに挑……む?

「コクラン、それ、たまねぎよ。」

しっしっしっ……と楽しそうに笑っているゲンガー。

『コクラン、それ、たまねぎよ。』

『コクラン、それ、たまねぎよ。』

『コクラン、それ、たまねぎよ。』

エコーするカトレアの言葉。

完。

〜その後〜

「そうでしたか、そのゲンガーはキクコさまのでしたか。」

「ただ遊んでいただけなのに、勘違いするんですもの。」

「何たる失態。」

「もういいのよ。それよりもコクランも一緒に遊びましょう♪」

ばちっと目が合う、コクランとゲンガー。

「は、はいっ!カトレアさまのお望みであれば……。」

コクランは慌ててカトレアの方を見た。