ある日目覚めるとポケモンになっていた。

 

 ある朝、目覚めると――。

 「……ん〜、もう朝か。ふぁぁぁ〜。」

 大きなあくびをした後、かけ布団を押し上げようとしたが、なぜか持ち上がらない。

 「ん?んん〜〜〜!ぜえぜえ。なんじゃ?」

 頭の上の方でピクと音がする。

 「?」

 手で触ってみると何やら柔らかい感触がした。

 「ふ〜む?」

 腕を組んでみたところで、ようやく体の違和感に気がついたオーキド。

 手をじっと見てみれば……。

 「黄色い。それに小さい。これは――ピカチュウの手じゃな。」

 ……。

 「なんじゃと〜!!」

 「オーキド、起きているのかい?あんた朝方に提出する書類があるって言っていたけど……時間に間に合わなくても知らないよ!」

 「キクコ!!」

 「なんだい、うるさいねえ。入るよ。」

 幼馴染のよしみ――というか、結局放っておけずに、徹夜に近い状態でオーキドの書類作成に付き合っていたキクコが部屋に入って来た。

 「オーキド?」

 キクコが部屋を見渡してもオーキドの姿は見えない。

 いるのは枕元にちょこんと座っているピカチュウのみ……。

 「声はしたんだけどねえ。ところで、あんたはなんでここにいるんだい?」

 ピカチュウの前に歩いてくるキクコ。

 オーキドはこの状況をどうしたものかと迷っていた。