だって好きなんだもの

 

「ゲンガー。」

ぎゅう〜。

「……。」

「なんじゃ、キクコ。またゲンガーを愛でているのか?」

「そりゃ〜、かわいいからねえ。」

なでなで。

「……。」

「うむ、それは分かる。」

「そうだろう。」

「わしもキクコがかわいいんじゃ〜〜!!」

どだだだ…………。

「ちょっ!!?」

ぼそり。

「“じしん”。」

「うわあああああ〜!!」

「オーキド!!」

「おほほ、キクコちゃん、あぶないところだったわねえ。」

「キクノ!あんた何して……!!」

「大丈夫よ、キクコちゃん。私はちゃんと的を絞って且つ”本気モード”でわざの指示をしたから。」

「オーキ……ああ、ゲンガー。」

「ふう、ゲンガーのおかげで助かったわい。危うく、キクコの手作りお弁当を食べそこなうところじゃった。」

ぱっ。

それを聞いてためらいなく手を放すゲンガー。

「うぎゃあああああ〜〜!!!」

「オーキドぉぉ〜〜!!!」

「あらあら、ゲンガーちゃんもやきもちを焼いているのねえ。」

「……。」

ぱっ!

「あ!オーキド、大丈夫かい?」

「まあ、のう……。」

「おほほほほ、ゲンガーちゃんは完全に手を放してはいなかったのねえ。」

「まったく、あんたたちねえ。」