布団の中で

 

朝、目が覚めた、4時過ぎ。

 

まだ起きるのには早いと思いつつ、

先日言われたことをぼんやり思いだしていた。

 

「素直じゃない。」

とか、

「気が短くてこわい。」

とか。

それは昔から変わらないのだけれど……。

 

もしもあたしが

素直だったり、もう少しは気が長い方だったら

未来(いま)は変わっていただろうか?

 

そんなことを考えて――

らしくもない。

 

そんなことを考えたのは

無意識のうちに布団の端を握っていたのは

ふと

あんたの顔が浮かんだから。

 

それもとびきりの笑顔。

憎たらしい

あたしのライバル。

 

まだ半分くらいしか開かないまぶたをそのままにして

あたしは新しい太陽の光を

カーテン越しに浴びている。

 

今日はどんなことが起こるのか

いくつになっても予測不可能。

だいたいのことは、当てられるけどね。

 

だって

あんたが来るのは突然だから。

心の準備も何もないから。

 

まあ対して

特別な意味などありはしないのだから

いつも通り嫌味を言って

やり過ごせばいい。

 

短い時間を

たわいのない話で埋めて

あんたと一緒に過ごせればいい。

 

ああ、またまぶたが重くなってきた。

温かい布団の中で

あたしひとり。

 

あたしひとりで、

あんたを想う。