心に残った指

 

手が触れた。

机から落ちそうになった書類を、ぱっ!と2人で押さえたら……。

 

何十年振りだった。

 

変わったけれど、

変わらない感触だった。

 

オーキドの指。

 

「おっと!危ないところじゃった!!」

「まったくあんたときたら!ちゃんとクリップか何かで止めておきな。」

 

あたしは取り乱さず

また

オーキドも特に意識する様子もなしに

互いの指は自然と離れた。

 

けれど、そのささやかな触れ合いは、

時々あたしの心に蘇える。

 

(ねえ、オーキド。)

 

まだあたし

あんたにときめいているよ。