おまえを貰いに……

 

 好きなら好きと言いなさい。
 泣かせたのなら、抱き締めなさい。
 傷つけたのなら、側に居なさい。


 ああ、後それから……。

 「ユキナリちゃん。」(にこ)

 「なんですか?」(アセ)

 「私に勝ってから、キクコちゃんを貰って行ってね。」


 「それで!とうとう、キクコさんとオーキド博士は結ばれたの!?」
 「いいえ、キクノさんの圧勝でした♪」
 「えっ?や、やだわ。リョウ。まさか、そんなはずは……。」
 「熱いバトルって言うか、なんていうか、“手加減”は全くしなかったな。キクノさん。」
 「ええ、バトルが終わった時のキクノさんの晴れ晴れとした顔と言ったら……。さすがはキクノさん、お強いですね。」
 「オホホ。オーバとゴヨウまで、いやね〜。だって、それじゃ――。」
 
 
 「い、痛い、キクコ。」
 「あんた、なんでこんなにボロボロなんだい?」
 「はっはっは〜。ちょっとはしゃいでしまってな〜。」
 「ふ〜ん。」
 ばしん!
 「ぐっ。」
 「ほら、手当ては終わったから、さっさと仕事に戻りな。」
 「うむ……また出直して来るか。」
 「何の話だい?」
 「ああ、いや、なんでもない。」
 「そうかい?」


 私、知っているんですよ。
 本当は貴方は誰よりも強いことを。

 だから――。


 「ねえ、キクコちゃん。」
 「どうして、あんた、カントー(ここ)にいるんだい?」
 「行く時は“白無垢”を着てね。」
 「???」