四天王引退

 

 「四天王引退!?」
 「そうだよ、ワタル。」
 「キクコ〜!!」
 「ああ、うるさいのがやってきた。」
 「き、聞いたぞ!!本当なのか!?」
 「嘘を言ってどうするんだい。」
 「だったらこれから……。」
 「さあねえ。別にあんたに言わなきゃいけない筋合いもないからねえ?」
 「もし決まっていないのなら……。」
 (オーキド博士、まさか――?) 
 「わしのところに来ないか?」
 (まさか、本当にキクコにプロポ――。)
 「え?何のことだい?」
 「じゃから、その、わしの……わしのつっ……。」
 「つ?」
 「わしの助手にならないか?キクコ。」
 がた〜ん!
 引っ繰り返るワタル。
 「ふ、ふふふざけるなあああ〜〜!!」
 「わっ!ちょっと、キクコ、落ち着け!な、何やってんだ!?ボールを全部投げ……。」
 「オーキド、あんたを今ここで倒してやる!!」
 「だから、やめろ、キクコ。ここでバトルなんてしたら、リーグが崩壊する!!」
 「はっはっはっはっは〜。相変わらず威勢が良いのう〜。」
 「うるさいっ!誰があんたの下について働くもんかい!!」
 「確かに横でもないな。まあ、横というか、側に居て欲しかったんじゃが……。」
 「何をごちゃごちゃ言ってんだい!?とっととバトルの準備を――。」
 「ん〜?わしは手持ちがないぞ?」
 「うっ。……ああ、そうだったね。今じゃおいぼれジジイだったのを忘れていたよ。」
 「ははは。ひどいのう。まあ、いつでも構わないから、わしのところに顔を見せてくれ。楽しみに待っておるぞ。」
 「あ!ああ!?オーキド博士、帰られるんですか!?キクコ、いいのか?」
 「良いも悪いも知ったこっちゃないさ!!」
 「本当に素直じゃないな〜。」
 「放っておいておくれ!!」 
 「オーキド博士!」
 「おお、ワタルくん。」
 「あの……もしかして泣いていますか?」
 「ちょっと心の汗がのう……。」
 「ええと、次がありますよ。」
 「そうじゃのう。」