「わしはおつるちゃんが好きだ。」

「あ？なんだいきなり？」

「一応、おまえのことも好きだがな。断然おつるちゃんの方が好きじゃな。」

「おれだっておまえに好かれるよりもおつるさんに・・・・・・なんでもない。」

「おまえもおつるちゃんが好きなんじゃろう？」

「！！お、おれは――。」

「好きなんじゃろ〜う？」

「うるさい！仕事中だぞ！！」

「もうあきた。」

「貴様・・・・・・。」

「おまえと顔を突き合わせて話し合っとっても、つまらん。せっかくならおつるちゃんを見ていたいもんじゃ。」

「あまり見つめすぎると洗って干されるぞ。」

「ん？なんだ、おまえ、干されたのか？」

「違うわ！！」

「そうだな。おまえは遠〜くからしかおつるちゃんを見ていないからの。残念じゃのう〜。わしはおつるちゃんと同じ中将じゃから隣で過ごせる確率１００％じゃ。」

「それは単におまえがわざわざおつるさんに隣に立って迷惑をかけているだけだろう。」

「焼きもちか！？」

「ガ―プ！！」

「はっはっはっはっは〜。昔から変わらんのう。」

「余計なお世話だ。」

「んん？認めたか？」

「何か言ったか？」

「いーや、なんにも・・・・・・。でもな、わしはおつるちゃんの側に居たいというよりも、少し離れた所から見ている方が好きじゃな。」

「それよりおまえが先日提出した書類だがな――。」

「センゴク、おまえはわしとは逆じゃろう？できることならおつるちゃんの側にいつも居たい。それが本音じゃろ？」

「貴様いい加減にしろ。」

「・・・・・・。」

「どうした？急に黙りこんで人の顔をまじまじと――。」

「おまえ、顔が赤いぞ。すぐに顔に出るのー、センちゃんは、おつるちゃんのことになると。」

「うるさいっ！！あと、その呼び方はやめろ！！！」

「たまには隣に立ったって誰も文句は言わないと思うぞ。おつるちゃん以外はな。何せ元帥なんじゃから、おまえは。」

「その元帥が私情で持ち場を離れていたら進む話も進まないだろうが！」

「本当は側に居たいくせに素直じゃないのう。」

「ガ―プ、同じ事を何度も言わせるな。今は仕事中だと・・・・・・。」

「そうそう隣と言えば、この前おつるちゃんと写真を一緒に撮ったんじゃが、つい孫と撮るノリでおつるちゃんの肩を思いきり抱いてしまったわい！わっはっはっ。」

「きーさーまー。」

「お、おおっ、センゴク、落ち着け。」

トントン

「センゴク、入るよ。」

「ふざけるのも大概にしろっ！おれだって、おれだっておつるさんに触りたいわ〜〜〜！！」

「あっ、おつるちゃん！」

「えっ？おつるさん！？」

「ふう。頼まれていた資料を持ってきたよ。それと取り込み中みたいだから話は後ほどさせてもらうよ。」

「あ、あぁ、それは助かる、おつるさん・・・・・・っていや、あれは誤解だ！さっきのは別に――。」

バタン。

「おつるちゃん、帰ってしまったの。」

「・・・・・・・・・・・・。」

「まあ、元気出せ、うまいせんべいがあるぞ！ほれ。」

「食べるかーー！！」